クリプトコラム

半分、また半分。ビットコインの発行が、最後にゼロになる日

公開日2026年08月06日

半分の、また半分。そのまた半分。いくら割っても、ゼロには届かないはずです。ところが、新しく生まれるビットコインは、この「永遠に半分」を続けた先で、ある年ぴたりとゼロになります。なぜでしょう。

そもそも、何が半分になるのか

ビットコインでは、マイナーと呼ばれる参加者が、取引のまとまり(ブロック)をおよそ10分ごとにつないでいます。ブロックを1つつなぐと、報酬として新しく発行されたビットコインを受け取れます。これが「ブロック補助金」で、半減期のたびに半分になるのは、この部分です。

半分になるペースは、だいたい4年に一度。最初は1ブロックで50 BTCでしたが、25、12.5、6.25と減ってきて、2024年4月の4回目の半減期で3.125 BTCになりました。次は2028年ごろ、またその半分です。

小数点のない世界

ここで最初の疑問に戻ります。半分にし続けるだけなら、終わりは来ないはずです。

種明かしは、ビットコインの数え方にあります。内部の帳簿では、金額はBTCではなく、satoshiという最小単位の整数で記録されています。1 BTCは1億satoshi。satoshiより下の位は用意されていません。たとえるなら、1円より小さい硬貨が存在しない現金のような世界です。1 satoshiが最小の一枚で、その半分を払う手段はありません。

すると何が起きるか。ブロック補助金がやがて1 satoshiまで減り、その次の半減期が来たとき、0.5 satoshiという数は存在できません。答えはそのままゼロ。計算上それが2140年ごろで、以降のマイナーの収入は、利用者が払う取引手数料だけになります。

この先、手数料だけでネットワークの守りを十分にまかなえるのかは、まだ答えの出ていない論点として議論されています。

割り切れるうちは半分にできて、割り切れなくなったら止まる。終点を決めているのは、この単純な算数です。

決めているのは、景気ではない

実際の中身は、拍子抜けするほど単純な計算です。最初に50 BTC分の数字を持っておき、半減期のたびに半分にして、割り切れない端数は切り捨てる。それを、決められた回数くり返すだけです。

しかもこの切り捨ては、最後の一回だけではありません。補助金が小さくなってくると、半分にするたびに端数がこぼれ落ちていきます。積もり積もって、発行量は上限としてよく知られる2,100万BTCには、ほんの少しだけ届きません。

面白いのは、この一連のスケジュールが最初からプログラムに書き込まれていること。何年後にいくら発行するかを、そのときの景気を見て決める人はいません。通貨の量を調整する中央銀行とは、ここが対照的です。片方は状況に合わせて人が動かし、もう片方はいまのコードに従って機械的に進む。どちらが良いという話ではなく、お金の量の決め方がそもそも違う、ということです。

のぞいてみれば、ただの算数

半減期は、4年に一度の大きなイベントとして語られます。カウントダウンで盛り上がり、ニュースにもなります。

でも芯にあるのは、半分にして、割り切れなくなったら終わり、というだけの算数。増えるペースも、止まる年も、最後にゼロになることも、ぜんぶこの算数から出てきます。

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