Vol.2では、「潤いのあるくらし」を目指すために、“何となく預貯金にしているお金”を“じっくり育てるお金”や“しっかり増やすお金”に振り分けましょう、ということをお伝えしました。今回は、どの程度のリターン(収益)を目指せば良いか、についてお伝えします。
目指すは「インフレ率+3%」!
「潤いのあるくらし」を送るために、「インフレ率+3%」のリターンを目指していただきたいのです。まず「インフレ率と同程度のリターン」であれば、本来は預貯金に預けておけば獲得できるはずです(金融政策の影響で一時的にそうならないこともあります)。ただし、ここでいう『+3%』のリターンを獲得するには、リスク(振れ幅)を取らなければ難しいのです。そこで、“投資ってなんだ!?”では、専門知識を必要とせずにリスクを取っていきましょう(Vol.2参照)、という考え方をお伝えしていきたいのです。
ではなぜ『+3%』なのでしょう?仏経済学者のピケティ氏が、歴史をさかのぼって世界中の資本(≒リスクを取ったお金)に対する収益率の関係を調べ、「資本の収益率が3%程度高い」ことを示してくれました。つまり、特別な知識などなくても、無理なく目指せる水準と考えることができるのです。また、ピケティ氏は“今後も3%程度のリターンが得られる”とまでは述べていませんが、資本を投資に振り向けた人が、総じて高いリターンを得てきた、と述べています。もちろんお約束はできませんが、目標が達成できると期待することはおかしくないと思います。
ところで、リターンとは何でしょうか。それは、リスクを取ったことに対する報酬だといえます。そのリスクを、“勝った・負けた”の賭け事ではなく、投資を通じて世界経済や事業の成長の振れ(良くなったり、悪くなったり)で取っていただきたいのです。世界経済が今後も成長すると信じるならば、リスクがあるとはいっても「インフレ率+3%」のリターンの獲得も期待できると考えます。
+3%は意外に大きい
1年間で+3%でも、10年間ではザッと30%、20年間なら元本は60%、インフレに勝っているはず(保守的に単利計算)。毎年配当などがあり、それを再投資すればそれ以上にもなります。もちろん、あくまでも目標ですが、“潤い”のための元手(お金)を作るには、「インフレ率+3%」は目指すに値する大きさだと思います。
引退までの時間にゆとりがある資産形成世代はもちろんのこと、引退世代が「潤いのあるくらし」を続けるために、賭け事ではない投資を検討されてはいかがでしょうか。

- 上図は考え方の一例を示したものであり、将来の運用成果を約束するものではありません。また、税金・手数料等は考慮していません。