Vol.3では、「潤いのあるくらし」を送るために「インフレ率+3%」のリターンを目指しましょう、リターンはリスクを取ったことに対する報酬、ということをお伝えしました。今回は、投資で取るリスクは賭け事ではなく、世界経済の成長に参加すること、ということについてお伝えします。
「潤いのあるくらし」のためにリスクを取っても良い理由
リスク(振れ幅)があるから、「潤いのあるくらし」を送るための元手(お金)=収益(インフレ率以上のリターン)が期待できるのです。リスクのない普通預金などでは、インフレ率と同程度のリターンが得られても、それ以上に“潤いのあるくらし”のためのリターンは期待できません。一方で、リスクが高いのであれば、前もって期待するリターンは高いはず・・・。ここがポイントです。
リスクが高いのに、前もってリターンが低いと分かっていれば、誰も投資をしないでしょう。前もってリターンが期待できると思うからこそ、人はリスクを取るのです。もちろん、リスクが高いのに、結果としてリターンが小さくなることもあります。この“前もって”と“結果として”の違いが、投資においてリスクを考える時に重要になるのです。
株式やリートを通じて世界経済の成長に参加する
投資で取るリスクは、世界経済の成長に参加することです。世界経済の成長は、その多くを企業(株式会社)が担っているので、世界株式への投資でリスクを取る代わりに、企業が利益を出せば配当などで受け取ることができるのです。株式投資のリスクは、突き詰めれば会社の事業リスクなのです。
例えば、新たな商品やサービスを提供しても、本当にヒットするかどうかは分かりませんが、多くの人々の努力と専門知識などを活用することで、成功する可能性が高まるでしょう。企業に事業で収益を上げてもらい、配当などで返してもらう、これが投資なのです。とはいえ、個々の企業の事業リスクの度合いは異なるので、幅広く世界中の企業の事業リスクを取ることにより、世界の人々の努力と工夫の成果をリターンとして期待することができるのです。
また、かつてフランスの貴族が農地を貸して収入を得ていたように、不動産投資はリート(不動産投資信託)で行うことができます。リートは保有するオフィスビルなどを貸して得た賃料が主な収入なので、例えば、空室が増えると収入が減るリスクがあります。しかし、幅広くタイプが異なる物件を保有する分散型リートに投資すれば、預貯金や債券よりも高いリターンが期待できるのです。

- 上図は考え方の一例を示すことを目的としたイメージであり、商品の利回りなどを保証するものではありません。