11月の世界株式は、月初、米政府機関の一部閉鎖が続く中、AI関連銘柄をはじめとする米ハイテク株の割高感が警戒されたこともあり、下落基調となりました。中旬には、同閉鎖解除への期待が高まったことなどから下げ幅は縮まったものの、閉鎖解除後に米利下げ観測が後退したことなどもあり、再度、下落基調となりました。下旬には、米利下げ観測が高まったほか、米ハイテク株の下げが一巡したこともあり、世界株式は反発し、月初からの下落幅を縮めました。また、外国為替市場では、日本の高市政権が決定した積極財政策が円売りの動きを加速させ、一時、1米ドル157円台をつけました。
米FOMC参加者の経済・金利予測にも注目
米国では、12月9~10日の日程でFOMC(連邦公開市場委員会)が開催されます。11月19日に公表された、10月のFOMC議事要旨では、多くの参加者が、年内は政策金利の据え置きが適切と主張したことなどが明らかになり、12月の利下げは見送られるとの見方が優勢となりました。しかし、11月下旬にニューヨーク連銀総裁が、インフレの上振れリスクは和らいでおり利下げを行なう余地はある、との見方を示すと、市場では利下げ期待が急速に高まりました。さらに、総じて弱い経済指標の発表が相次いだことなどから、市場が織り込む12月の利下げの可能性はほぼ確実視されています。こうした中、次回FOMCの決定内容に加えて、新たに発表される、会合参加者の経済・金利予測にも注目が集まります。
ECB理事会では新たな経済見通しを発表
欧州では、12月18日にECB(欧州中央銀行)理事会が開催されます。ECBは、これまで3会合連続で政策金利を据え置きました。ECB総裁は会見で、中東での停戦合意や米中通商協議の進展などから、ユーロ圏の経済成長への下振れリスクは一部和らいだとの見解を示した一方、物価への不確実性は依然として高いとみており、政策変更には慎重な姿勢を示しています。ただし、12月の理事会では、四半期ごとに見直される経済見通しにおいて、新たに2028年までの予測が公表される予定であり、内容によっては今後の政策判断に影響することも考えられます。
中国、来年の経済の方針を策定する会議を開催
中国では、12月中に2026年の経済政策の方針を決める「中央経済工作会議」が開催される予定です。この会議では、年に一度、翌年の経済政策運営の基本方針を決定するために、総書記をはじめ共産党最高指導部のほか、閣僚や大手国有企業、軍の幹部などが参加し、経済成長や物価など経済運営の目標が議論されます。中国では、内需低迷を示す経済指標が相次いで発表されたことから経済の減速が警戒されています。同会議において、新たな景気対策が打ち出される可能性があり、高い関心が寄せられています。
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