2025年9月末時点の家計の金融資産は、日本で約2,286兆円、米国では約141.2兆米ドルと、ともに2四半期連続で過去最高となりました。その主因は、両国などでの株価上昇です。また、日本の場合、新NISA(少額投資非課税制度)を背景として、投資信託(投信)に高水準の資金流入が続いていることも寄与しました。ただし、それぞれを2000年末の規模と比較(中央グラフ)すると、日本では約1.6倍なのに対し、米国では約4.1倍と、拡大ペースに大きな違いがあります。
長期で見た場合、米国の家計金融資産の伸びが相対的に高い主な理由として、資産形成に積極的な人が多く、運用成果を享受していることが挙げられます。同国では、家計金融資産に占める株式・投信の構成比が5割を超えているほか、保険・年金においても、確定拠出年金制度を通じて投信が積極的に活用されています。
一方、日本の場合、現金・預金の構成比が足元で約49%と、2007年9月末以来18年ぶりに50%を下回ったものの高水準で、株式・投信は20%強にすぎないため、運用の効果は限定的となりがちです。ただし、コロナ・ショック直後の2020年4-6月期以降、家計は22四半期(5年6ヵ月)連続で投信を買い越しており、特に、新NISAが始まった2024年1月以降は高水準の資金流入が続いています。今後についても、定着しつつあるインフレへの対応を迫られることもあり、投信などに家計の資金の流入が続くと見込まれます。
なお、投資にはもちろんリスクがつきもので、運用成果は市況などにより変動します。ただし、一般に、投資対象を分散することにより、リスクは低減し、さらに長期投資によって運用成果が安定化するとされています。また、国内資産に限らず、海外資産にも分散して投資を行なえば、世界経済の成長の果実を得やすくなると考えられます。
このように、海外資産も活用し、リスクを抑えながら行なう長期投資の一例が、右下のグラフの濃い紫色の線です。この例では、2000年末に内外の主要6資産に等金額投資を行なった結果、足元の評価額は約5.6倍に膨らんでいます。こうしたシミュレーションや家計のリスク許容度を踏まえ、現金・預金を積み上げるのではなく、「おカネ」を投資に振り向け、働いてもらうことを検討してはいかがでしょうか。
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