政策金利は2会合連続で据え置き
日本銀行(日銀)は3月18・19日に開催した金融政策決定会合で、前回1月と同様、政策金利(無担保コール翌日物金利の誘導目標)を0.75%程度で据え置くことを賛成多数で決定しました。

中東情勢、原油価格の動向がリスク要因に加わる
日銀は今回、声明文に、「中東情勢の緊迫化を受けて、国際金融資本市場では不安定な動きがみられるほか、原油価格も大幅に上昇しており、今後の動向には注意が必要」と記しました。また、足もとの原油価格上昇については、「消費者物価(除く生鮮食品)の前年比のプラス幅を拡大する方向に作用すると考えられる」としたほか、「基調的な物価上昇率の見通しに及ぼす影響についても、留意が必要」と明記しました。そして、リスク要因に、今後の中東情勢の展開や原油価格の動向を加えました。これら以外には、声明文に大きな変更はなく、基調的な物価上昇率は27年度までの見通し期間の後半には、2%の物価安定目標と概ね整合的な水準で推移するとのシナリオを維持しました。その上で、現在の実質金利はきわめて低いとして、経済・物価の見通しが実現していくとすれば、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくとの方針を改めて示しました。

総裁会見はタカ派寄りと受け止められる
日銀の植田総裁は会見で、利上げ路線を維持し、これまでと同様、経済・物価情勢や基調的な物価上昇率に関する見通しの確度、リスクを確認しながら、毎回の会合で政策を適切に判断する意向を改めて示しました。
中東情勢の緊迫化に伴なう原油価格の上昇については、景気の悪化を通じて、物価を下押しするリスクがある一方、中長期の予想物価上昇率を押し上げる可能性もあるとして、上下双方向に変動し得るとの見方を示しました。なお、会合参加者の中では、物価の上振れリスクを指摘する意見が多かったとのことです。また、政策判断には基調的なインフレ率を重視する方針を改めて強調し、これを捕捉すべく、消費者物価指数の指標を拡充する意向を示しました。

市場では、総裁会見の内容が利上げに前向きなタカ派寄りと受け止められたほか、為替介入への警戒などもあり、19日夕方の外国為替市場では、円相場が1米ドル=159円台後半から前半に円高が進行しました。なお、金利市場で織り込まれている4月会合での利上げの確率は、引き続き6割程度となっています。

【上表】[左図]26年の金融政策決定会合の予定(下段:主な意見の公表日)、[下図]26年1月の展望レポートの見通し(中央値)
【図表】[左図]金利と円相場の推移、[中央図]物価上昇率(前年比)の推移、[右図]賃金(前年比)と消費の推移
  • 日銀や総務省などの信頼できると判断したデータをもとにアモーヴァ・アセットマネジメントが作成
  • 上記は過去のものおよび見通しであり、将来を約束するものではありません。