インド株式相場は2024年秋以降、上値の重い動きが続いています。2026年初頭には過去最高値を更新(Nifty50指数ベース)したものの、その後は、世界的な株価調整の影響もあり、軟調な展開となっています。
米国との貿易摩擦や中東情勢の緊迫化が重石に
背景には、2025年8月に発生した米国との貿易摩擦があげられます。インドによるロシア産原油の輸入拡大を受け、米国は一部インド製品に最大50%の追加関税を課すと発表しました。これにより、インドの対米輸出が減少し、企業の設備投資意欲も後退、株式市場では外需の先行き不透明感が重石となりました。その後、2026年2月には米印首脳間の協議を経て、関税を18%に引き下げることで合意したものの、依然として株式市場の反応は限定的です。
また、足元では、ホルムズ海峡の封鎖など中東情勢の緊迫化に伴なう原油価格の高騰が懸念材料となっています。インドは原油の多くを輸入に依存し、備蓄量も少ないことなどから、エネルギー価格の高騰はインフレ再燃や経常赤字拡大、ルピー安などにつながり、株価の下押し要因となる恐れがあります。
人口ボーナスなどを背景に持続的成長が期待される
一方で、インド経済のファンダメンタルズは良好です。2024年度の実質GDP成長率*1は前年度比+6.5%、2025年度以降も同+6―7%台と、世界でも有数の高成長を維持すると見込まれています。その原動力となっているのは、個人消費など内需の拡大です。世界最大の人口と、所得水準の向上のほか、2025年に行なわれたGST(財・サービス税、消費税に相当)の実質引き下げなども消費拡大を後押ししています。さらに、人口ボーナスも大きな成長要因です。人口ボーナスとは、従属人口(14歳以下ならびに65歳以上)に対する生産年齢人口(15~64歳)の比率が2倍を超える状態を指します。一般に、人口ボーナス期には豊富な労働力を背景に個人消費が活発になる一方、高齢者が少なく社会保障費用が抑えられるため、経済が拡大しやすいとされ、同比率が1.8倍を超える頃から経済活動が活発になり始めるとされます。実際、中国やブラジルなど主要新興国や日本の株式市場では、人口ボーナス期に株価が大きく上昇する傾向がみられました。インドでは、2012年から同比率が1.8倍を超え、2057年まで人口ボーナス期が続くと予想され、人口動態の優位性を活かした持続的成長が期待されます。
エネルギー関連の輸入依存度の高さなどから、短期的には外部環境の影響を受けやすいと思われるものの、中長期的には内需拡大などを背景に、インド経済の高成長を背景とした株式相場の上昇が期待されます。会計年度(4月~翌年3月、2011年度基準)ベース。なお、インドの実質GDP成長率の基準年度は2026年2月に2022年度に改定されたが、本資料ではIMFのデータに合わせて、2011年度基準の成長率を使用。
下グラフ「インドの実質GDP成長率推移」も同様。
- IMFや世界銀行などの信頼できると判断したデータをもとにアモーヴァ・アセットマネジメントが作成
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