政策金利は7会合連続で据え置き
ECB(欧州中央銀行)は4月29・30日に開催した政策理事会で、市場予想通り、政策金利の据え置きを決定し、主要政策金利のうち、市場金利の下限となる「中銀預金金利」を2.00%で維持しました。政策金利の据え置きは、2025年6月に利下げを行なって以降、7会合連続となりました。
インフレ上振れリスクおよび経済成長の下振れリスクが強まる
ECBは声明で、インフレの上振れリスクおよび経済成長の下振れリスクが強まったとしました。また、長期のインフレ期待は引き続き落ち着いているものの、短期のインフレ期待は大幅に上昇したと指摘しました。
ECBのラガルド総裁は政策理事会後の会見で、今回、利上げを検討したものの、見送りを決めたと明かしたほか、次回6月にも利上げを検討する可能性があるとしました。また、中東情勢の改善に向けた進展が見られない限り、6月にも利上げを決定する可能性が高いとの関係者の見方が報じられています。
市場の利上げ観測はやや後退
今回の結果発表に先立って、ユーロ圏の1―3月期のGDPおよび4月の消費者物価指数の速報が公表されました。GDPは、昨年10―12月期実績の前期比+0.2%から横ばいと市場で予想されていたものの、それを下回る+0.1%にとどまりました。また、消費者物価指数は、コア・ベースでは前年同月比+2.2%へと減速したものの、総合ベースでは+3.0%と、物価目標の2%を大きく上回り、2023年9月以来の高い伸びとなりました。
金融市場では、次回6月も含め、9月までに2回の利上げが想定されているほか、今回の理事会の決定が発表される前日の29日には、年内3回目の実施も確実視されていました。しかし、その後、前述のような経済指標が発表されたことなどもあり、景気下振れリスクへの配慮が必要との見方が拡がり、3回目の利上げの有無については、見方が割れることとなりました。なお、30日のユーロ圏市場では、利上げ観測の後退に加え、原油先物の上昇が一服したこともあり、国債利回りが低下したほか、株式相場は上昇しました。
- ECBなどの信頼できると判断したデータをもとにアモーヴァ・アセットマネジメントが作成
- 上記は過去のものおよび見通しであり、将来を約束するものではありません。