昨年末に1トロイオンス=4,000米ドル台前半で推移していた金(ロンドン金現物)価格は、今年1月下旬に史上初めて5,000米ドルを突破しました。しかし、その後反落し、足元では4,000米ドル台半ばで推移しています。年初来で乱高下となる中、本稿では、世銀(世界銀行)が4月下旬に公表した最新の商品価格見通しに基づき、金相場の動向や展望についてご紹介します。
足元は投機的資金の影響で価格変動性が高まる
今年に入ってからの金相場について世銀は、地政学リスクの高まりに伴なう投機的資金の流入や、リスク回避先としての需要の増加が、月間ベースで最高値をつけた2月頃にかけて、価格押し上げに寄与したとしました。しかし、イラン紛争を受けたインフレ懸念の台頭により、先行きの米金利の上振れが意識され、米ドル高が進行すると、急ピッチで積みあがっていた投機的ポジションが巻き戻されたとの見解を示しました。
こうした背景から世銀は、金の価格変動性が異例の高水準に達し(図【A】)、調整につながったとしています。ただし、金価格の水準については、調整を経た後も昨年1-3月期を大きく上回っているとも言及しています。
堅調な需要を反映し、見通しは一段の上方修正に
金価格の見通しについて、世銀は、26年に年平均4,700米ドル、27年には4,300米ドルと予測しました(図【B】)。前回(25年10月)見通しにおける、26年:3,575米ドル、27年:3,375米ドルから、いずれも大幅に上方修正した格好です。
こうした見通しについて世銀は、25年半ば以降回復した金ETF(上場投資信託)などの民間部門や、中央銀行など公的部門の需要が(図【C】)、引き続き堅調に推移し、金相場の支えになるとしています。
なお、金を含む貴金属の価格見通しについて世銀は、インフレ圧力の高まりに伴なう主要国での想定外の金融引き締めや、地政学的緊張の後退などを、下振れ要因として挙げています。しかし、先行きの不確実性は大きいものの、通商政策や中東情勢を巡る投資家の懸念などを背景にリスク回避先としての需要が強まる可能性があり、下振れよりも上振れするリスクが高いと指摘しています。こうしたことから、過去数回がそうであったように、再び見通しが上方修正される余地もありそうです。
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