5会合連続で政策金利を据え置き
ユーロ圏の物価上昇率が2%の目標水準前後で推移する中、ECB(欧州中央銀行)は2月4・5日に開催した政策理事会で、市場予想通り、政策金利の据え置きを決定し、主要政策金利のうち、市場金利の下限となる「中銀預金金利」を2.00%で維持しました。

ECBは声明で、インフレ率が中期的に2%の目標水準で安定するとの見方が裏付けられたとしました。また、世界的な環境が厳しい中でも、ユーロ圏経済は底堅さを維持しているとしました。その背景として、低い失業率、民間部門の堅固な財務、防衛・インフラ分野の公共投資の段階的な進展、これまでの利下げを挙げました。ただし、世界的な貿易政策を巡る不確実性や地政学的緊張の高まりなどにより、先行きには依然、不透明感があるとしました。そして、今後も、経済指標に基づき、会合ごとに政策判断を行なっていくとして、政策の方向性などは示しませんでした。なお、今回は、デンマーク領グリーンランドの取得をめざすトランプ米大統領とそれに反対する欧州主要国との間の対立が深まって初の政策理事会でした。

ラガルド総裁、ユーロ高でインフレ率下振れも
ECBのラガルド総裁は今回の政策理事会後の会見で、見通しの上振れ・下振れのリスクは概ね均衡しているとしたほか、現行の政策は良好な位置にあると改めて述べ、当面、様子見を続ける可能性を示唆しました。また、同総裁は今回、米ドルについて議論したことを明かしました。そして、成長や物価の見通しにおいて、為替は重要であり、ユーロ高が現在の見通し以上にインフレ率を押し下げるおそれがあることを認めました。ただし、為替レートを直接の目標に定めているわけではないと述べたほか、米ドルは昨夏以降、一定のレンジで推移しており、ECBの予想に織り込まれているとの見解を示しました。

市場では年内は金利据え置きとの見方が有力
金融市場では、年内は政策金利据え置きとの見方が有力です。ただし、為替が1ユーロ=1.20米ドル台と、2021年6月以来のユーロ高・米ドル安となった1月下旬には、ユーロ圏の中央銀行総裁から利下げ検討の必要性を示唆する発言が相次ぎました。また、昨年7月には、デギンドスECB副総裁が、1.20米ドルまでのユーロ高は無視できるが、それ以上のユーロ高となる場合、かなり複雑になると述べています。足元のユーロ高には一服感も見られますが、再度、ユーロ高が進むような場合には、利下げが検討される可能性も考えられます。

【図表】[上図]2026年の政策理事会の予定、[下図]ECBスタッフの経済見通し(25年12月時点)
【図表】[左図]金利・為替の推移(2020年1月2日~2026年2月5日)、[中央図]物価・賃金(前年比)の推移(2019年1月~2026年1月)、[右図]PMI(購買担当者指数)の推移(2023年2月~2026年1月)
  • ECBなどの信頼できると判断したデータをもとにアモーヴァ・アセットマネジメントが作成
  • 上記は過去のものおよび見通しであり、将来を約束するものではありません。