2025年以降の世界株式は、同年4月の米国による相互関税の発表や、2026年2月以降の中東情勢の緊迫化などを受けた一時的な調整局面を挟みながらも、AI(人工知能)の普及への期待や底堅い企業業績を背景に、総じて堅調に推移してきました。もっとも、ハイテク分野を中心に過熱感が意識される中、米国への一極集中を見直す動きも散見されます。
こうした中、本稿では、分散投資の一手としての欧州株式の魅力に迫ります。
ブランド力などをテコに世界で稼ぐ欧州企業
欧州の代表的な株価指数であるSTOXXヨーロッパ600指数の構成上位銘柄は、情報技術、ヘルスケア、生活必需品など、複数のセクターにまたがっています(図表【A】)。巨大ハイテク企業群への集中度が高い米国主要株価指数と比べ、欧州主要株価指数の銘柄構成はより分散された特徴を有しています。
また、欧州には、長い歴史の中で培われたブランド力や技術力を競争優位の源泉とし、グローバル市場で確固たる地位を築いてきた企業が多く存在します。これらの企業は、本拠地を欧州に置きながらも、多国籍企業として世界各地で事業を展開しています。実際にSTOXXヨーロッパ600指数全体でみると、売上高に占める欧州域外比率が高い企業は、時価総額ベース(浮動株調整後)で約3分の2を占めています(図表【B】)。
このことは、欧州株式が欧州域内の景気動向に連動するだけの投資対象ではなく、世界経済の成長を幅広く取り込む性格を備えていることを示しています。
しっかり稼ぎ、株主還元を重視する企業文化
欧州株式の特徴は、企業の収益分配姿勢にも表れています。利益の成長性という点では、総じて米国が優位に立つものの、ハイテク分野を中心に企業が積極的な設備投資を行なう米国と比べると、欧州では、事業による現金収支から設備投資などを差し引いたフリー・キャッシュ・フローの利回りが相対的に高水準となっています。また、配当利回りでも欧州は米国を上回っており、稼いだ成果を株主に還元する企業文化が根付いていることがうかがえます(図表【C】)。
将来の成長に向け設備投資を積み増す米国に対し、確立されたブランド力や技術力をもとに世界でしっかり稼ぎ、株主への還元を重視する欧州の株式は、分散投資先として魅力的と考えられます。
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