今年11月3日に予定されている米国の中間選挙について、本稿では、足元の選挙情勢に加え、政策や株式相場への影響などについて考察します。
中間選挙後、ねじれ議会となる展開が意識される
現在、米議会は上下両院とも与党・共和党が多数派を占めていますが、今回の中間選挙では上院100議席のうち35議席、下院435議席のすべてが改選されます。
将来の出来事に関する取引参加者の見方を映す予測市場に注目すると、上院では民主党が昨年末から巻き返しているものの、共和党がなおリードしています。一方、下院では民主党による多数派獲得の確率が約8割織り込まれています(図【A】)。
米選挙分析サイト270toWinが公表する複数調査機関の平均的な議席見通しの傾向も概ね同様です。上院は改選対象に共和党の支持基盤が強い州が多く、民主党は接戦州での取りこぼしが許されない厳しい戦いです。一方、下院の議席数予測(各党のやや優勢までを含む)については、共和党210議席、民主党206議席、接戦19議席ですが、接戦選挙区の大半は共和党の現有議席であるため、トランプ政権(共和党)の支持率が低迷する中、民主党がそうした選挙区の一部を奪取し、多数派獲得をうかがうとの見方は少なくありません。
下院の選挙区割り変更が共和党優位に働く余地はあるものの、足元では中間選挙を経て、政権与党と上下両院の少なくとも一方の多数派が異なるねじれ議会となる展開が意識されつつあります。
不透明感が漂っても、堅調な企業業績が支えに
仮にねじれ議会となれば、予算措置を伴なう政策には議会承認が必要なため、トランプ政権の内政運営への制約が強まります。また、大統領弾劾については、罷免に上院の3分の2の賛成を要することから実現のハードルこそ高いものの、議会調査や弾劾訴追が行なわれることとなれば、政策停滞が見込まれます。
他方で、内政面の制約が強まるほど、大統領の裁量が大きい通商・外交政策への依存が高まりかねません。例えば、今年2月に最高裁判所が国際緊急経済権限法に基づく関税賦課を認めないと判示した後も、トランプ政権は他の法律に基づく代替手段を講じており、今後も同様の対応で高関税政策の継続が図られると見込まれます。このため、ねじれ議会となっても、トランプ政権への十分な歯止めとはなりにくいとみられます。
株式相場については、中間選挙を巡る不透明感が重荷となる局面が想定されます。実際に、過去を振り返っても、中間選挙年の株式相場は投票日にかけて政治的不透明感から上値が抑えられやすい傾向が観察されます(図【B】)。ただし、今年は中東情勢を受けて一時調整した後、1-3月期決算の堅調さを背景に4月以降は持ち直しており、過去の平均的なパターンとは異なる展開です。今年、米主力企業(S&P500指数の構成企業)が20%超の増益見込みであることを踏まえると、選挙前後で政治的不透明感が重荷となる場面はあっても、その影響は限定的となる可能性が考えられます。
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- 上記は過去のものおよび予測市場の織り込み確率であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。