2年9ヵ月ぶりに利上げを決定
ECB(欧州中央銀行)は6月10・11日に開催した政策理事会で、市場予想通り、0.25ポイントの利上げを決定し、主要政策金利のうち、市場金利の下限となる「中銀預金金利」を2.25%としました。利上げは、2023年9月以来、2年9ヵ月ぶりです。今後については、状況を注意深く監視し、データに基づき、毎回の会合ごとに適切な金融政策スタンスを決定するとしました。
インフレに上振れ、経済成長には下振れのリスク
ECBは声明で、インフレには上振れリスク、経済成長には下振れリスクがあるとしました。また、中東情勢が中期的なインフレ率および経済成長率に与える影響は、エネルギー・ショックの強さと持続期間、さらにその間接的・二次的な波及効果の程度次第だとしました。
今回、新たに示したECBスタッフの見通しでは、2026、27年のインフレ率を上方修正、経済成長率は下方修正しました。なお、同見通しには、今後についての不確実性を反映したとのことで、エネルギー価格が想定よりも速いペースで下落する、「穏やかなシナリオ」が盛り込まれました。
ECBのラガルド総裁は会合後の会見で、エネルギー・ショックの影響は、直接的および間接的にも経済全体へ拡がり始めているとの見方を示しました。そして、賃金上昇がけん引する二次的な波及効果はまだ見られていないとしたものの、今回の利上げは保険的なものではなく、現在直面している経済状況と不確実を踏まえた、必要な決定だと強調しました。
追加利上げ観測は優勢ながら、やや和らぐ
金融市場では、追加利上げ観測が優勢で、9月までに次の利上げが確実視されています。ただし、その後については、従来見通しより利上げペースが抑えられるとの見方が拡がりました。こうしたことなどから、11日のユーロ圏市場では、国債利回りが低下したほか、株式相場は上昇しました。通貨ユーロは、ロンドン市場では中東情勢の先行き不透明感などを背景に対米ドルで下落したものの、その後、トランプ米大統領がイランとの協議が進展したとして、イランへの攻撃を中止したことなどから、ニューヨーク市場では反発しました。
- ECBなどの信頼できると判断したデータをもとにアモーヴァ・アセットマネジメントが作成
- 上記は過去のものおよび見通しであり、将来を約束するものではありません。