2025年12月以来の利上げを決定
日本銀行(日銀)は6月15・16日に開催した金融政策決定会合で、市場予想通り、0.25ポイントの利上げを決めました。利上げは2025年12月以来、4会合ぶりで、政策金利(無担保コール翌日物金利の誘導目標)は1.0%程度と、約31年ぶりの高い水準となります。また、国債買入れの減額措置を2027年3月までとすることも決定しました。いずれも、感染症治療のために入院中の植田総裁を除く8人の政策委員による多数決の結果、7対1の賛成多数で決まりました。

なお、利上げの発表後、長期金利はやや上昇したものの、円相場が1米ドル=160円台前半で推移する中、株式市場では安心感が拡がり、日経平均株価は一時、初めて7万円台に乗りました。

物価上振れリスクを警戒
日銀は今回、景気の下振れリスクがひと頃より低下した一方、物価上振れリスクが高まったとして、利上げを決定しました。日銀は声明文で、経済は伸び率を縮小しつつも、緩やかな成長を続けるとの見通しに概ね沿って推移しているとしました。物価については、①原油価格の上昇を起点として、企業間取引において価格転嫁がやや速いスピードで進んでおり、今後、消費者段階での幅広い品目の価格上昇に波及していく可能性があるとしたほか、②中長期の予想物価上昇率が引き続き高まっているとして、2%の物価安定目標を超えて上振れするリスクがあるとしました。

2024年8月から行なわれている、国債買入れの減額措置は、債券市場での需給に基づく自由な金利形成を促してきました。ただし、2025年以降、金利が一時、急騰するなど、債券市場が不安定化する場面も目立つようになっています。同措置を2027年3月までとし、翌月以降は月間2兆円程度の国債買入れを続けることにより、需給の悪化懸念が和らぎ、債券市場の安定化につながると期待されます。

今後も緩やかなペースでの利上げが見込まれる
日銀は、現在の金融環境は依然、緩和的だとして、今後も経済・物価・金融情勢に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくとしています。声明文や内田副総裁の会見では、次の追加利上げの時期やペースに関する明確な示唆はありませんでしたが、金融市場では、半年程度で1回の利上げとの見方が引き続き有力です。

【図表】[上図]26年の金融政策決定会合の予定(下段:主な意見の公表日)、[下図]26年4月の展望レポートの見通し(中央値)
【図表】[左図]金利と円相場の推移(2019年1月4日~2026年6月16日)、[中央図]物価上昇率(前年比)の推移(2019年1月~2026年4月)、[右図]賃金(前年比)と消費の推移(2019年1月~2026年4月)
  • 日銀や総務省などの信頼できると判断したデータをもとにアモーヴァ・アセットマネジメントが作成
  • 上記は過去のものおよび見通しであり、将来を約束するものではありません。