政策金利は据え置きも、利上げ観測が強まる
米FRB(連邦準備制度理事会)は、6月16・17日のFOMC(連邦公開市場委員会)で、市場予想通り、政策金利(FFレートの誘導目標)を3.50~3.75%で据え置くことを決定しました。据え置きは4会合連続で、今回の決定は全会一致でした。

ただし、四半期ごとに公表する会合参加者の見通し(中央値)において、前回3月の見通しでは年内に1回の利下げが想定されていたものの、今回は年内に1回の利上げへと方向が変わりました。こうしたことなどから、17日の米金融市場では、早ければ9月、遅くとも10月に追加利上げが行なわれるとの観測が強まり、国債利回りや米ドルが上昇した一方、株式相場は下落しました。なお、円相場は一時、1米ドル=160円79銭前後と、2024年7月以来の円安・米ドル高水準となりました。

物価安定を実現すると強調
今回は、5月にFRB議長に就任したウォーシュ氏の下での初のFOMCでした。その声明文では、「中東情勢に一部起因する不確実性にもかかわらず、経済活動は堅調」「インフレ率は、供給ショックなどに伴なう、エネルギーを含む一部の分野での価格上昇を反映し、高止まりしている」として、FOMCは物価安定を実現すると表明しました。なお、ウォーシュ氏が否定的な見解を示してきた、政策運営の方向性を示唆する「フォワードガイダンス」は今回、削除されました。前回までは、将来的な金融緩和を示唆するような文言がありました。

会合参加者の見通し(中央値)では、政策金利については、年内に1回の利上げとなったほか、2027、28年の想定も引き上げられました。ただし、年内の見通しの内訳を見ると、少なくとも2回の利上げを見込む参加者がいる一方、利下げを予想する参加者もおり、見方が分かれている状況です。なお、ウォーシュ議長は予想を提出しなかったと明かしています。

改革志向を鮮明に
ウォーシュ議長は会見で、物価の安定を実現することを強調しました。また、議長交代はFRBの従来の慣行が適切かどうかを検討する良い機会だとして、①対外コミュニケーション、②保有資産政策、③既存データの活用と信頼性、④変化の時代における生産性と雇用、⑤インフレの枠組みの5分野について、作業部会を設けると発表し、改革志向を鮮明にしました。

【図表】[上図]26年のFOMC開催予定(下段:議事要旨の公表日)、[下図]26年6月のFOMC参加者の見通し(中央値)
【図表】[左図]米国の消費者物価上昇率(前年同月比)と金利の推移、[右図]米労働市場の主要指標の推移
  • 米労働統計局、全米経済研究所(NBER)、FRBなどの信頼できると判断したデータをもとにアモーヴァ・アセットマネジメントが作成
  • 上記は過去のものおよび見通しであり、将来を約束するものではありません。