金利据え置きも、9月の利上げに含みを持たせる
ECB(欧州中央銀行)は7月22・23日に開催した政策理事会で、市場予想通り、政策金利の据え置きを決定し、主要政策金利のうち、市場金利の下限となる「中銀預金金利」を2.25%としました。また、声明では、状況を注意深く監視し、データに基づき、会合ごとに適切な金融政策スタンスを決定するとしました。ただし、ECBのラガルド総裁は会見で、9月の利上げに含みを持たせました。

熱波による影響もあり、インフレに上振れリスク
ECBは声明で、エネルギー価格の見通しは依然、高い変動性を伴なうものの、現状では、6月時点の見通しにおける基本シナリオに概ね沿っており、中東紛争以前の水準を大幅に上回っているとしました。そして、不確実性は依然として高く、エネルギー・ショックによるインフレへの影響はまだ完全には表れていないとして、ショックの規模と継続期間に加え、間接的影響および二次的波及効果を注視する意向を示しました。

ラガルド総裁は会合後の会見で、今回の決定は全会一致ながら、利上げを検討する必要性について自問した参加者もいたと明かしました。また、インフレ見通しに対するリスクは上振れ方向だとしたほか、中東情勢の影響だけでなく、欧州での熱波や異常気象に伴ない、食品価格が予想以上に押し上げられる可能性にも言及しました。

なお、中東情勢を巡っては、22日にイエメンの親イラン武装組織フーシ派が紅海で原油タンカー2隻を攻撃したことを受け、トランプ米大統領は23日、イランの責任と見なすとして、再び船舶を攻撃する場合、制裁を加えると表明しました。こうしたことから、同日の市場では、欧米の原油先物価格が急騰し、インフレ再燃が警戒されたこともあり、欧米の国債利回りが上昇しました。また、欧米の株式相場が下落したほか、外国為替市場では有事の米ドル買いが見られました。

2027年6月までに3回の利上げとの観測が優勢
金融市場では、次回9月の会合での利上げが有力視されているだけでなく、2027年6月までに合計3回の追加利上げが行なわれるとの観測が優勢となっています。

【図表】[左図]年内および2027年前半の政策理事会の予定、[右図]ECBスタッフの経済見通し(26年6月時点)
【図表】[左図]金利・為替の推移(2020年1月2日~2026年7月23日)、[中央図]物価・賃金(前年比)の推移(2019年1月~2026年6月)、[右図]PMI(購買担当者指数)の推移(2023年7月~2026年6月)
  • ECBなどの信頼できると判断したデータをもとにアモーヴァ・アセットマネジメントが作成
  • 上記は過去のものおよび見通しであり、将来を約束するものではありません。