政策金利は据え置きも、利上げを求め3人が反対
米FRB(連邦準備制度理事会)は7月28・29日のFOMC(連邦公開市場委員会)で、市場予想通り、政策金利(FFレートの誘導目標)を3.50~3.75%で据え置くことを決定しました。据え置きは5会合連続ですが、今回は、投票権を持つ12人の会合参加者のうち、0.25ポイントの利上げを求めた3人が据え置きに反対しました。

なお、声明文では、「中東情勢に一部起因する不確実性にもかかわらず、経済活動は堅調」「インフレ率は、供給ショックなどに伴なう、エネルギーを含む一部の分野での価格上昇を反映し、高止まりしている」などとして、前回6月の内容を踏襲しました。

物価安定を実現すると改めて強調
FRBのウォーシュ議長は会見で、高インフレが5年間続いていることなどから、2%を超える、暗黙の物価目標があるとの印象が一部で拡がっているとしたものの、FRBの物価目標はあくまで2%だと強調しました。そして、目標の達成に向け、取り組みを緩めることなく、必要かつ適切と判断すれば、行動すると述べました。なお、政策金利の変更はインフレ対応の唯一の手段というわけではないとも述べました。

また、同氏の議長就任後、初のFOMCとなった前回6月の会合において、政策運営の方向性を示唆するフォワード・ガイダンスを示さなかったことなどに伴ない、その後、長期金利が上昇したことについて、市場が利上げの可能性を織り込む形で、中央銀行の役割の一部を果たしているとして、歓迎する姿勢を示しました。

年内に1回の利上げとの見方が依然、有力
金融先物市場では、年内に1回の利上げが引き続き有力視されているものの、今回の会合を受け、次回9月については、利上げ観測が後退しました。29日の米金融市場では、国債利回りが、2年債では低下しました。ただし、10年債については、前日にイランが米軍基地を攻撃したことなどを受け、原油先物価格が急反発した影響などもあり、利回りは上昇しました。外国為替市場では米ドルが対主要通貨で売られ、円相場は1米ドル=163円台前半に上昇しました。また、イランと米国との衝突再開が嫌気されたことなどから、軟調に推移していた株式相場は、政策金利据え置きとの発表を受け、上昇に転じる場面もあったものの、引けにかけては再度下落し、安値圏で引けました。

【図表】[上図]27年前半までのFOMC開催予定(下段:議事要旨の公表日)、[下図]26年6月のFOMC参加者の見通し(中央値)
【図表】[左図]米国の消費者物価上昇率(前年同月比)と金利の推移、[右図]米労働市場の主要指標の推移
  • 米労働統計局、全米経済研究所(NBER)、FRBなどの信頼できると判断したデータをもとにアモーヴァ・アセットマネジメントが作成
  • 上記は過去のものおよび見通しであり、将来を約束するものではありません。