7月の金融市場では、欧米の物価上昇率や米雇用の伸びの鈍化を受け、月前半に欧米の利上げ観測が後退しました。一方で、米国とイラン間で再度、攻撃の応酬となったことなどから、原油先物は概ね上昇基調となり、欧米の長期金利も上昇しました。ただし、下旬には米国とイランによる協議再開への期待が台頭し、原油価格の上げ幅は縮まりました。株式市場では、月前半に半導体関連株が売られたことなどが重石となり、世界株式は概ね一進一退で推移しました。ただし、下旬には、AI分野における巨額設備投資への懸念を背景にIT大手の株式が売られたほか、半導体関連株も続落するなど、米ハイテク株安の影響から世界株式は一時、前月末の水準を下回る場面もみられました。また、外国為替市場では、中旬以降に円安が進み、円相場は一時、1986年11月以来となる1米ドル=163円台後半まで下落しました。しかし、月末には政府・日銀による為替介入や米通貨当局によるレートチェックが行なわれたとの観測を受けて円高・米ドル安に振れ、1米ドル=157円台で月末を迎えました。

米国とイランの今後の動向に注目
米国とイランが6月に署名した、紛争終結に向けた覚書は、8月中旬までの最終合意をめざす枠組みとされていましたが、両国による攻撃の応酬を受け、事実上崩壊したと報じられています。今後は、原油価格やホルムズ海峡の安定を重視する米国が再び協議を模索するのか、イランが核開発や制裁解除を巡る交渉に応じるのかが焦点になるとみられます。両国の主張には隔たりがあるものの、仲介国による働きかけや軍事行動の抑制を通じ、協議再開への糸口が見いだされるかが注目されます。また、中東情勢が、エネルギー価格や各国・地域の金融政策に及ぼす影響も注視されます。

ジャクソンホール会議での発言に注目
米カンザスシティ連邦準備銀行が毎年8月に主催する経済シンポジウム、通称ジャクソンホール会議が8月27日~29日の日程でワイオミング州ジャクソンホールにおいて開催されます。各国・地域の中央銀行関係者や政策担当者、経済学者などが今回のテーマである「金融イノベーション:決済と政策への影響」について議論するほか、主要当局者による講演も行なわれます。原油高などを背景とした世界的なインフレが懸念される中、各国・地域の金融当局者による、物価と景気の見通しや今後の金融政策を巡る発言が注目されます。

本格化する日米企業の決算発表
7月下旬から日米企業の4-6月期決算発表が本格化しています。既に発表されたAI・半導体関連企業では、概ね好調な決算が相次ぎ、AI需要の堅調さが改めて示されました。もっとも、市場の事前期待が高まっていることもあり、好決算であっても株価の上昇につながらない例がみられます。こうした中、8月初旬には、6月に新規上場した米宇宙関連大手企業が、上場後初の決算を発表します。株価が公開価格を下回る中、将来の展望や構想などをどのように示すかが注目されます。このほか、8月にかけて相次ぐ日米企業の決算では、足元の業績に加え、AI関連投資やコスト、為替などを踏まえた今後の見通しが、株式市場の方向性を左右する材料となりそうです。

【図表】8月の注目される金融政策および政治・経済イベント
  • 信頼できると判断した情報をもとにアモーヴァ・アセットマネジメントが作成
  • スケジュールは予告なしに変更される可能性があります。
  • 上記は過去のものおよび予定であり、将来を約束するものではありません。