米国では2026年第2四半期(主に4-6月期)の企業決算の発表が続いており、8月7日時点(米国市場開場前、以下同じ)で主力企業(S&P500指数の構成企業)の87%(436社)が発表を終えました。そこで本稿では、同四半期決算の状況や今後の業績に関する市場予想などをご紹介します。
実績は総じて市場予想を上回る内容
8月7日時点で発表済の第2四半期決算において、純利益の実績が市場予想を上回った割合は85%、一致した割合は3%、下回った割合は11%となりました(グラフ【A】)。また、主力企業全体の純利益の伸び率(未発表企業は市場予想に基づく、以下同じ)は、前年同期比で51.1%と、決算発表シーズン前(7月2日時点)の予想の24.4%を大幅に上回りました。一部のハイテク企業が保有する非上場AI(人工知能)関連企業の株式評価益が同伸び率を19%ポイント程度押し上げたとの指摘もありますが、この特殊要因を除いても、第1四半期から加速したとみられます。
業種別にみると(グラフ【B】)、第2四半期の純利益の伸び率は、原油価格の上昇が寄与したエネルギー(前年同期比142.7%)で最大となったほか、AI需要拡大の恩恵を受けたコミュニケーション・サービス(114.5%)をはじめとするハイテク関連業種など、10業種でプラスとなりました。特にハイテク関連業種では、高水準の受注残が売上高に結び付きつつあることなどが示され、AI関連設備投資の収益化を巡る市場の懸念が和らぎました。他方、ヘルスケア(▲6.8%)は唯一の減益業種となりましたが、合併・買収に伴なう一時的な費用計上の影響が大きかった模様です。
ハイテク関連業種が引き続き全体をけん引しただけでなく、データセンター建設の拡大が資本財・サービスにも追い風となるなど、増益の裾野の拡がりを示唆する良好な決算内容だったといえそうです。
市場は企業業績の堅調な伸びが続くと想定
今後の業績に関する市場予想に目を向けると、主力企業全体の純利益の伸び率は、2026年後半、25%を上回る推移となる見通しです。2027年は、第2四半期こそ前年同期の高成長の反動から1%程度にとどまるものの、それ以外の四半期では18%前後の伸びが予想されています(グラフ【C】)。AI関連設備投資の継続やAIの活用による生産性の向上、企業の価格決定力の高まりなどが、引き続き利益成長を後押しする見込みです。
中東情勢やインフレ加速などのリスクに引き続き留意が必要ですが、第2四半期の決算を経て、AI関連設備投資を巡る前向きな動きや、当面の利益成長の継続シナリオが確認できたことは安心材料と考えられます。
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