利上げは市場予想通り、物価見通しを上方修正
ECB(欧州中央銀行)は9月9・10日に開催した政策理事会で0.25ポイントの利上げを決定し、主要政策金利のうち、市場金利の下限となる「中銀預金金利」を2.50%としました。また、声明では、中東での紛争が引き続きインフレ圧力につながっており、インフレ率は長期にわたって目標を大きく上回る見通しだとしました。
利上げの決定は市場予想通りでした。ただし、足元での原油や天然ガスの先物価格の上昇に加え、今回、ECBスタッフのインフレ見通しが上方修正されたこともあり、市場では追加利上げ観測が高まりました。そして、10日の欧州市場では、国債利回りが上昇した一方、株式相場は下落しました。外国為替市場では、ユーロが対円で上昇しました。ただし、原油高に加え、この日発表された米国の8月の卸売物価指数が市場予想を上回ったこともあり、米ドルが対主要通貨で買われ、ユーロは対米ドルでは下落しました。
景気の底堅さを背景に成長率見通しも上方修正
今回、新たに示されたECBスタッフの見通しでは、エネルギー・ショックにもかかわらず、ユーロ圏経済が予想以上の底堅さを示していることを主な理由として、2026、27年の成長率見通しが上方修正されました。
インフレ率については、中東情勢やロシア・ウクライナ情勢の影響から、2027、28年の見通しが上方修正されました。ただし、消費者物価指数については引き続き、今年をピークとして徐々に鈍化し、27年末頃には目標の2%近辺へ低下すると見込まれています。
なお、見通しを巡る不確実性は依然として高く、インフレには上振れリスク、経済成長には下振れリスクがあるとされています。
市場では追加利上げ観測が高まる
ECBは声明で、今後も会合ごとに政策運営を行なうとしたほか、ラガルド総裁も会見で、今後の対応は毎回の会合で判断するとしました。一方、金融市場では、今回の会合後、利上げ観測が高まりました。従来、政策金利は、2027年半ばに3%と見込まれていましたが、足元では、同年1-3月期には3%に達し、4月には3.25%に達するとの観測が優勢となっています。
- ECBなどの信頼できると判断したデータをもとにアモーヴァ・アセットマネジメントが作成
- 上記は過去のものおよび見通しであり、将来を約束するものではありません。