上下両院とも野党・民主党優勢との見方が浮上
今年11月3日の米中間選挙では、上院100議席のうち35議席、下院435議席のすべてが改選されます。現在、上下両院では共和党が多数派ですが、下院では、接戦区の多くが共和党の現有議席であることや、トランプ政権の支持率が低迷していることから、民主党が多数派を奪還するとの見方が優勢です。
一方、上院は今回、共和党が伝統的に強い地盤州での改選が多いうえ、50対50の採決ではバンス副大統領(共和党)が決定票を投じます。このため、民主党(同会派の無所属含む)は現在の47議席から4議席を積み増し51議席とする必要があり、従来は共和党がやや優位とみられてきました。しかし、イラン情勢に伴なうエネルギー価格上昇などへの不満から、共和党の地盤州でも接戦が増え、足元では両党の争いが拮抗しています。
将来の出来事に対する市場参加者の見方を映す予測市場に注目すると、下院で民主党が多数派を獲得する確率が高水準で推移する中、足元では上院でも、民主党が多数派になるとの見方が優勢となっています(図表【A】)。このため、従来から想定されてきた民主党が下院のみを制する場合に加え、民主党が上下両院で多数派となる場合も考えておく必要がありそうです。
議会構成で変わるトランプ政権への制約
選挙後の政策運営を議会構成別に概観すると、共和党が上下両院で多数派を維持すれば、政策運営は現状と大きく変わらないとみられます。一方、民主党が下院のみを制した場合、追加減税や歳出拡大など、予算を伴なう政策は実現しにくくなります。また、議会調査や大統領の弾劾訴追を通じ、政権との対立が強まる可能性もあります。とはいえ、大統領の罷免には上院出席議員の3分の2の賛成が必要であることから、実際に罷免に至る可能性は低いと見込まれます。
民主党が上下両院を制した場合には、政府高官などの人事承認、ひいては規制政策を巡る政権の自由度も低下すると考えられます。もっとも、トランプ大統領には法案への拒否権があるため、民主党が両院で多数派となっても、同党が掲げる政策が直ちに実現するわけではありません。したがって、今回の中間選挙では、政策が大きく転換するかよりも、民主党がどこまで議席を伸ばし、トランプ政権の政策運営への制約がどの程度強まるかが焦点となりそうです(図表【B】)。
株式相場の基調に与える影響は限定的か
上述の情勢や政策運営への影響を踏まえると、民主党の議席拡大によって政策運営を巡る不透明感が高まる可能性があります。ただし、中間選挙では政権与党が議席を減らす傾向がある一方、過去の例をみると、選挙後の株価は上昇しやすい傾向があります。
また、今年の米国株式相場は、中東情勢を受けた3月の調整局面を除けば、良好な企業業績を背景に堅調に推移しています。こうしたことから、中間選挙を巡る動向には留意が必要ですが、その結果が中長期的な株式相場の基調に与える影響は限定的とみられます。
- 上記は過去のものおよび予測市場の織り込み確率であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。