政策金利は2会合ぶりの据え置き
ECB(欧州中央銀行)は10月28・29日に開催した政策理事会で、市場予想通り政策金利の据え置きを決定しました。主要政策金利のうち、市場金利の下限となる「中銀預金金利」は2.50%で維持されました。
なお、金融政策についての発表に先立ち、ECBは、ラガルド総裁が2027年10月の任期満了を待たず、同年2月の政策理事会の直後に退任すると発表しました。同氏はその理由について、金融政策以外の問題について関与・発言する自由を得るためだと説明しましたが、退任後の去就については言及しませんでした。
利上げを決めた前回会合後の金融環境の引き締まりを指摘
ECBは声明で、エネルギー・ショックの影響はいまだ完全には顕在化していないものの、これまでのところ基調的なインフレ率は概ね安定しており、賃金にも大きな影響は見られないとしました。ただし、エネルギー価格は上昇を続けており、インフレ見通しには上振れリスク、経済の成長見通しには下振れリスクをもたらしていると指摘しました。そして、インフレ率が中期的に2%の目標水準で安定することを確実にするため、金融政策を適切に設定していく方針だとしました。
一方、利上げを決めた前回9月の会合以降、金融環境は引き締まっており、インフレと成長を抑制する可能性が高いとの見解も示しました。特に、来春に大統領選挙が控えるフランスでは、政治・財政への懸念を背景として国債利回りの上昇が顕著で、10年債利回りは今月一時5%台と、約24年ぶりの高水準となりました。
ラガルド総裁は会見で、今回の会合で利上げの可能性を検討したと明かしました。また、状況に大きな変化がない限り、政策の方向性はかなり明確だと述べたことなどもあり、市場では、次回12月の会合で追加利上げが決定されるとの見方が有力となっています。
ただし、2027年については、追加利上げ観測がやや後退しました。29日の欧州市場では、原油先物価格が軟調に推移したこともあり、国債利回りが低下しました。外国為替市場ではユーロが一時売られ、対米ドルで2025年5月以来の安値を付ける場面があったものの、その後はユーロ高・米ドル安に転じました。
- ECBなどの信頼できると判断したデータをもとにアモーヴァ・アセットマネジメントが作成
- 上記は過去のものおよび見通しであり、将来を約束するものではありません。