本稿は2026年2月27日発行の英語レポート「Balancing Act」の日本語訳です。内容については英語による原本が日本語版に優先します。

投資環境概観

1月のグローバル株式市場(MSCI All Country Worldインデックス)は、前年の好調な流れが続いて2026年も良好な出だしとなり、米ドル・ベースで前月末比2.9%上昇した。景気加速期待が強まっている一方でインフレ率が中央銀行の目標水準近辺で推移していることを受けて、概して良好な市場環境が続いた。米FRB(連邦準備制度理事会)は1月会合において、「経済活動の見通しは改善している」とし、大方の予想通り政策金利の据え置きを決定した。米国のグリーンランド領有計画に反対する欧州の複数の国に対して、トランプ大統領は追加関税を課す意向を示したものの、後にこれを撤回したことで、貿易をめぐる緊張も後退した。

債券市場では、政治面や世界の市場の動きに関するニュースが相次ぐなか、米経済指標の堅調な結果が注目されず、月の前半の米国債利回りは比較的狭いレンジで推移した。市場では、米司法省によるFRBへの刑事捜査に関する報道や、トランプ大統領がグリーンランド領有計画に反対する欧州諸国への追加関税発動を示唆したことをめぐる報道に注目が集まった。月の後半に入ると、高市首相が解散総選挙を発表するなど、日本国内の動向を受けて、債券利回りにより大きな動きがみられた。打ち出された減税案の財源を確保するために国債発行が増加するとの見方が広がったことで、日本の超長期国債利回りが急上昇した。その影響が米国債市場にも波及し、世界的に債券利回りが上昇する流れとなった。月末の米国債利回り水準は2年物の指標銘柄で前月末比0.049%上昇の3.52%、10年物の指標銘柄で同0.069%上昇の4.24%となった。

金価格は、地政学的な先行き不透明感やFRBの独立性をめぐる懸念を受けて上昇基調が続き、月の終盤にはFRB次期議長にタカ派寄りとされるケビン・ウォーシュ氏が指名されるという予想外の展開を受けて急反落したものの、1月の月間上昇率が13.3%にのぼった。また、原油価格はイランをめぐる地政学的緊張の高まりや、供給の混乱を受けて前月末比13.6%上昇した。リート(FTSE NAREIT Global Real Estateインデックス)は前月末比で3.1%上昇した。

クロス・アセット

当月は、グロース資産のスコアをプラスへと引き上げる一方、ディフェンシブ資産のスコアをマイナスへと引き下げた。グロース資産については、米国が牽引役となって世界的に景気が加速しつつある兆しが引き続きみられている。米国以外でも、世界の輸出は増加傾向を辿っており、AI(人口知能)インフラ需要も引き続き旺盛だ。バリュエーションが割高な水準にある米国株式については慎重な姿勢を維持しているものの、新興国、そして先進国のなかではオーストラリアやカナダのスコアを引き上げるなど、幅広い国の見通し改善がグロース資産のスコア引き上げにつながった。ディフェンシブ資産については、世界的な景気好調に伴ってインフレが加速し始めるとみており、それを受けて大半の国が利下げサイクルの終わりを迎えると見込まれることから、スコアを引き下げた。概してスプレッドはタイトな水準にとどまっており、ディフェンシブ資産のなかでもよりリスクの高い分野の投資魅力は低下している。

グロース資産のなかでは、先進国株式のスコアを中立に維持し、新興国株式のスコアをプラスへと引き上げた。ディフェンシブ特性を有し、リスク・リターン特性の魅力度が高まっているインフラ投資については、これまでの好調な推移を受けてスコアを若干引き下げたがプラス圏内に維持した。先進国株式のなかでは、バリュエーションが割高な水準にある米国と欧州のスコアをマイナスへと引き下げたが、引き続き長期的には米国を有望視している。英国とシンガポールは堅調な推移を受けてスコアのプラス幅をやや縮小し、オーストラリアについては、足もとの市場の調整によりリスク・リターン特性が改善したことから、スコアを中立へと引き上げた。英国は、バリュエーションが魅力的な水準にあるとともに中央銀行がハト派姿勢を強めつつあることから、引き続き有望視している。シンガポール株式についても、規制緩和や底堅い経済活動の恩恵が見込まれる金融セクターの割合が高いことから選好している。日本については、同国株式市場にとって追い風になるとみられる円安期待と、日銀のタカ派的な姿勢のバランスを考慮してスコアを中立に維持した。新興国株式は、バリュエーションが魅力的な水準にあることを受けてスコアをプラスへと引き上げた。ドル安が進む展開となる場合も、新興国株式の追い風になると期待される。

ディフェンシブ資産では、先進国ソブリン債のスコアを小幅なマイナスへと引き下げる一方、金のスコアをプラスへと引き上げた。また、投資適格クレジットのスコアをマイナスに、ハイイールド債のスコアを中立に、新興国現地通貨建て債券のスコアをプラスにそれぞれ維持した。ソブリン債については好調に推移しているものの、世界的にインフレ率が上昇しつつある様子であり、慎重な見方を強め始めている。投資適格クレジットはバリュエーションが割高な水準にとどまっている。スプレッドがタイトな水準にあり、縮小余地がほぼない一方、ネガティブなニュースがあれば、それに反応して拡大しやすい状況にある。新興国現地通貨建て債券については、キャリー水準の高さや世界的な景気改善、米ドル安が進行して新興国の追い風となる可能性を踏まえて、引き続き有望視している。ハイイールド債は、構造的に金利が高くオールイン利回り水準が依然魅力的であり、ポートフォリオ全体のキャリー水準を高める効果をもたらすことから、スコアを中立に維持している。

*マルチアセット・チームのクロス・アセット見解は、(1)グロース対ディフェンシブ、(2)グロースおよびディフェンシブ資産内でのクロス・アセット、(3)各資産クラス内での相対的な資産の見方、という3つの異なる段階で示しています。これらの段階は、選好順位の水準は資産クラスが予想可能な形で似た動きあるいは異なる動きを見せるという当社のリサーチおよび直感的認識を表しており、したがって、資産クラスのクロス・アセットでのスコアリングは理に適っているとともに、最終的により熟考された堅固なポートフォリオ構築につながると考えます。


資産クラスの選好順位(2026年1月末時点)

資産クラスの選好順位

注)上記のアセットクラスおよびセクターの選好順位とスコアは、マルチアセット・チームの現在の投資見解を反映したものです。リサーチ・フレームワークは 3つの段階の分析に分かれています。スコアは、各資産に対する同チームの相対的見方(各資産が属する資産クラスの他の資産対比)を表しています。 各資産クラス内のスコアは、コモディティを除き、平均すると中立となります。これらは投資リサーチまたは投資推奨助言に該当するものではありません。 セクターや経済、市況トレンドに関する予見、予測または予想は、それらの将来の状況またはパフォーマンスを必ずしも示唆するものではありません。

当社の見方

グロース資産

世界の経済成長は底堅さを維持すると予想しており、米国が牽引役となって企業収益が伸び続けるとみられることから、グロース資産は引き続き魅力的だと考える。ただし、世界的に株価が割高な水準にあることから、当面は慎重な姿勢で臨むのが妥当とみられ、バリュエーションがそれほど割高でない市場を選好している。市場センチメントは依然良好で、投資家のあいだではFRBによる今後の追加利下げ期待が高まっており、リスク資産にとって追い風になると見込まれる。この先数ヵ月間における米国の雇用・物価データは、FRBの政策金利の軌道を見極める上で極めて重要となるだろう。インフレについては世界的に落ち着いた状況が続いているが、世界の経済成長が再び加速する場合にはインフレ上振れリスクが出てくる可能性がある。

概して、企業の利益率は拡大傾向を維持しており、グロース資産への追い風となっている。今回の決算発表シーズンでは企業の利益が引き続き好調に推移しており、上振れ傾向にある。先日の米連邦最高裁による追加関税の違法判決は、次なるカタリストになることが期待される。さらに、FRBによる今後の追加利下げも米国の経済活動が堅調さを維持するのに一役買うだろう。しかし、グロース資産はバリュエーションが高水準に達していることから、リスク資産に対しては引き続きポジティブな見方をしているものの、当面はより慎重な姿勢を維持していく方針である。


グロース資産に対する確信度の強い見解

  • 米国株式のスコアをマイナスに引き下げ:テクノロジーやヘルスケアのイノベーション(革新)を原動力とする企業収益の長期的な成長性から、米国株式を引き続き選好している。また、今後数年間でAI関連の設備投資が大幅に拡大することに伴うデータセンターからのエネルギー需要の増加も追い風になるとみている。中央銀行の対応や輸入関税懸念の緩和など、市場にはポジティブ・サプライズの起こる可能性が残っている。しかし、市場の期待が高まっていることから、当面は機動的にスコアをマイナスへと引き下げている。市場の調整局面を捉えてスコアを再び引き上げていく方針である。
  • シンガポール株式と英国株式を有望視:シンガポール株式と英国株式は、スコアを若干引き下げたがプラスに維持した。両市場とも配当利回りが高く、相対的にベータ値が低い傾向にあるなど、ディフェンシブ特性を好感している。シンガポール市場は、相対バリュエーションの尺度でも魅力度が高いと見受けられ、また経済の開放度が高いため、世界全体の経済活動拡大や銀行セクターの規制緩和の恩恵が見込まれる。
  • 新興国株式のスコアをオーバーウェイトに引き上げ:バリュエーションが魅力的な水準にあるとともに、ドル安が進む場合にはその恩恵が期待されることから、新興国株式のスコアをプラスへと引き上げた。ドル安の展開となれば、新興国の中央銀行は自国通貨を防衛する必要性が低下することや、経済活動を押し上げるための利下げ余力がもたらされるとみられることから、新興国の追い風となる。新興国のなかでは、コモディティへのエクスポージャーをもたらすとともに、インフレ率の低下を受けて実質金利が高水準にある中南米諸国を有望視している。また、AI関連の設備投資展開という長期的な成長トレンドへのエクスポージャーとして、半導体の主要サプライヤーでありテクノロジー・セクターの占める割合が大きい台湾も選好している。
  • コモディティ関連株のスコアを中立に維持:コモディティ関連株が長期的にインフレに対して優れた分散投資効果を提供し続けるとの考えに変わりはない。コモディティ関連セクターのファンダメンタルズは、景気循環的にも長期的にも依然有望である。
  • インフラ投資を有望視:インフラ投資については、スコアのプラス幅を若干引き下げたが、ベータ値が低いのに加えて配当利回りも高いなど、そのディフェンシブな特性を引き続き好感している。データセンターの建設増加を受けたエネルギー需要の拡大という構造的ストーリーは引き続き有効だ。インフラ投資は契約期間が長期にわたり、収益を見通しやすいことに加え、金融緩和局面が追い風になることから、市場調整局面において魅力的な資産クラスとなっている。

中南米株式の見通しが好転

過去10年間、中南米株式の投資環境は、世界の投資家にとってかなり厳しいものとなってきた。その背景には、コモディティサイクルの悪化や米ドル相場の高止まり、域内諸国の政治に概して左派化の傾向がみられたことなど、複数の要因がある。こうした逆風要因が重なった結果、中南米諸国の株式市場のパフォーマンスは低迷し、先進諸国の株式市場に大幅に劣後してきた。最近では、それらの逆風要因の一部に変化がみられ始めており、中南米株式市場は再び魅力的な投資機会をもたらしている。

多数のコモディティの輸出大国が集まる同地域は、足もとにおけるコモディティ価格の上昇傾向の恩恵を受けると期待される。遡ると、鉱業セクターは中国の不動産・インフラ投資による旺盛な需要などを原動力とするスーパーサイクル(長期的な成長局面)の下、生産が大幅に拡大していた。こうした過剰な拡大が最終的にはコモディティブームの崩壊を招き、その後は過小投資状態が続いた。足もとでは、AI投資の台頭に伴ってコモディティ需要が拡大・継続しており、中南米地域への追い風になる可能性がある。

また、米国の場合を初めとして、同地域の戦略的重要性は高まっている。特に重要資源をめぐるグローバル・サプライチェーンの脆弱性を認識した米政府は、中国との貿易関係を見直しており、それを受けて、より信頼できる中南米地域からの調達を優先するべく政策の調整を進めている。注目すべき点として、トランプ政権は同地域に最も低い関税率を適用している。

中南米地域は長年にわたってインフレ対策に取り組んできた歴史があり、各国中央銀行は物価上昇を警戒した正統派の金融政策を採用してきた。その結果、実質金利は先進諸国に比べて比較的高水準に維持されており、それがインフレ圧力に対する強力なバッファーの役割を果たしていることから、リスク資産にとって安定的な環境をもたらすと期待される。ブラジルを例に挙げると、足もとの実質金利水準が10%を超えている。今後に目を向けると、先進諸国の中央銀行が2025年に利下げを進めたことを受けて、中南米地域の中央銀行には金融緩和余地が残されている。金融緩和は、中南米諸国の景気を浮揚させ、企業の成長を加速させると期待される。さらに、高水準の実質金利は域内諸国の通貨にとっての大きな下支え要因になっており(FRBが2026年に追加利下げを行う場合はそうした傾向が特に強まる)、中南米株式の見通し改善にもつながっている。


チャート1:中南米諸国の中央銀行は高い実質金利水準を維持

チャート1

出所:信頼できると判断した情報をもとにアモーヴァ・アセットマネジメントが作成

また、中南米株式は概してバリュエーションが非常に魅力的な水準にとどまっている。市場予想によると、足もとにおいて中南米株式市場は予想PER(株価収益率)が11倍程度と、世界的にみてもバリュエーションが最も魅力的な地域の1つとなっているほか、向こう2年間の予想EPS(1株あたり利益)も10%を超えている。中南米株式は、魅力的なバリュエーション、堅調な業績見通し、マクロ経済環境の改善などが相まって、グローバル株式ポートフォリオに違いをもたらす貴重な分散投資先となっている。


チャート2:中南米株式市場とグローバル株式市場のバリュエーション比較

チャート2

出所:信頼できると判断した情報をもとにアモーヴァ・アセットマネジメントが作成
期間:2006年2月28日~2026年2月11日

ディフェンシブ資産

政策面や地政学面の先行き不透明感の強まりを受けた分散投資需要が続くなか、2026年のディフェンシブ資産は好調なスタートを切った。1月のブルームバーグ・グローバル総合債券インデックスは前月末比で0.94%(米ドル・ベース、以下同様)上昇したほか、金価格は好調な推移を続け、月末にかけてボラティリティが高まったにもかかわらず月間上昇率が13.3%に達した。金利市場では、米国の失業率が低下するとともに経済成長が底堅さを維持するなか、米国の金融政策は引き締め的な状態がより長期化するとの見方が強まり、月末にかけて米国債利回りが上昇した。FRBは1月会合で政策金利の据え置きを決定し、また、一部の理事は、インフレが想定より根強いと判明した場合には金融政策のさらなる引き締めを再検討する可能性があると示唆した。日本では、2月に行われた解散総選挙で与党が圧勝したことで、高市首相は自らが推し進める拡張的財政政策への追い風を得ることになるとみられる。

今回の選挙後、円相場は財政拡大リスクをよそに急上昇した。一方、2月には日本国債利回りが低下したが、それを上回るペースで米国債利回りが低下し、日米金利差が縮小する結果となった。今月の当レポートでは、世界的にインフレが再加速の兆しを示しているなか、利上げ実施の可能性が最も低いとみている市場の1であるカナダについて取り上げる。


ディフェンシブ資産に対する確信度の強い見解

  • 投資適格クレジットに対しては慎重な姿勢:2026年に入っても信用スプレッドは縮小傾向が続き、2000年代半ば以来の低水準に達している。当面はスプレッドの拡大を招き得る要因が出てくるとはみていないものの、スプレッドには平均回帰性があるという事実を踏まえ、クレジット物のスコアをマイナスに維持していく方針である。スプレッド・デュレーションを抑えるために、1~5年の短期物を引き続き選好している。
  • 金は割高だが必要不可欠:金価格は過去1年間以上にわたって上昇傾向が続いておリ、米国のマネーサプライ対比でも割高な水準に達している。それでもなお、蔓延したインフレ、FRBの独立性が脅かされるリスクを背景に、金をめぐるマクロ環境は良好さを維持している。また、米ドル安が進む展開となる場合も金への追い風になると期待される。こうしたなか、政府の財政運営が中央銀行の金融政策を左右する状況となれば、金はソブリン債と比較して強力なヘッジ手段になる可能性がある。
  • 物価連動債を取り入れることが有効:主要中央銀行が金融緩和を進めるなか、経済成長が上向きつつあり、コモディティ価格も上昇傾向にあるなど、足元ではインフレが再加速し始めつつある兆しがある。インフレとの戦いは道半ばとの見方が強まる場合に備える手段として、米国物価連動債(TIPS)を取り入れることが有効だと考える。

カナダ債券

世界的に景気が引き続き好調で、消費需要が下支えされているとともに投入コストへの上昇圧力がかかり続けているなか、インフレ率は再び徐々に上昇しつつある。先進国のなかで最初に動いたのがオーストラリアで、インフレ加速を受けて2月の金融政策決定会合で利上げを決定した。対照的に、日本を除く他の先進国の大半の中央銀行は、インフレが抑制されているように見受けられるなか、まだタカ派的な姿勢を示していない。しかし、当社では、インフレの落ち着いた状況が続く可能性についてより慎重な見方を強めており、利上げ実施の可能性が依然低い国に注目している。2025年には、ヘッジコストの低さやイールドカーブのスティープ化を受けてヘッジ後ベースの利回り水準が非常に魅力的なカナダを選好した。こうした状況は2026年も続くとみている。同国は経済の構造変化が進んでいるほか、米国による関税の影響に直面しており、利上げが実施される可能性は低い。

経済面では、カナダのGDP成長率は長期平均を下回る状況が続いており、失業率は過去10年間の平均水準で推移しているものの6%を上回り続けている。PMI(購買担当者景気指数)は、2025年の大半において景気拡大を示す基準となる50を下回るなど、景況感の低さを示している。こうした経済指標の結果は、消費需要が低調であることから価格転嫁余地が乏しく、企業が投入コストの増加分を吸収していることを物語っている。政策金利がインフレ率と拮抗する中立金利水準にあるなか、市場ではカナダの中央銀行が向こう1年間は政策金利を据え置くと予想されている。他の市場とは異なり、経済指標が示唆するインフレ再加速の可能性もまちまちであるなど、足元の経済環境を踏まえるとカナダが政策金利の据え置きを続けるとみられる強い根拠が存在する。下チャート3は、物価の動きに先行する傾向にあるブルームバーグ商品指数の推移を示したものだが、同指数は上昇し始めており、カナダのインフレ加速を示唆する根拠としては最も強いものとなっている。


チャート3:カナダのCPI上昇率とブルームバーグ商品指数の推移

チャート3

出所:信頼できると判断した情報をもとにアモーヴァ・アセットマネジメントが作成
期間:2016年1月31日~2026年1月31日

しかし、それを除くと、PMIの低迷や景気動向の弱さなど、インフレが加速するとみられる根拠は弱まる。例えば、マネーサプライは歴史的にCPI(消費者物価指数)の動きに18ヵ月先行して推移してきたが、足もとでは減少傾向にある。マネーサプライM2の低迷は、カナダ経済において貸出がほとんど行われていないことを示唆しており、そうした状況下ではインフレが加速しにくいとみられる。足元ではインフレ率が依然として中央銀行の目標水準近辺にあることから、米国の関税によって経済が圧迫される状況となれば、当面は中央銀行による政策スタンスの変更が困難になるとみられる。


チャート4:カナダのCPIとマネーサプライM2の推移

チャート4

出所:信頼できると判断した情報をもとにアモーヴァ・アセットマネジメントが作成
期間:2006年3月31日~2025年12月31日

したがって、世界的にはインフレが忍び寄りつつあると警戒しているものの、カナダ債券市場は長短金利差のプラス幅が比較的大きいことから、こうした流れに対する防衛効果を発揮する。当面、カナダはイールドカーブのスティープ化が進み、ヘッジ後ベースの利回り水準が魅力的かつ安定的であることから、債券市場のなかでも有望な市場の1つとなり続けている。


プロセス

リターンの主要ドライバーを把握するためのインハウス・リサーチ:

リターンの主要ドライバーを把握するためのインハウス・リサーチ: